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《具体的方策》

1] 特定荷主とタイアップした事業戦略の立案

2] 荷主企業とのEDI化による企業間連携の向上

3] ISO9000シリーズ等の取得による信頼性の向上

 

1] 特定荷主とタイアップした事業戦略の立案

・大口の特定荷主や、恒常的に貨物が発生する荷主企業の物流戦略に食い込むことは、港頭地区に貨物を集めていく上で非常に有効である。

・この場合、大口の荷主等とのタイアップを実現するためには、梱包作業等の特殊ノウハウが必要な大型機械、微妙な温度管理が必要な化学製品や食料品、小口で混載が必要な貨物等、特殊な貨物に対する独自ノウハウを蓄積することが、荷主に対するアピールとして非常に効果的であると思われる。

・また、特殊な貨物以外の貨物についても、荷主ニーズが多様化するなか、取扱い貨物に対する商品知識や商品管理ノウハウを蓄積し、品質管理能力を高めていくことは荷主企業にとってのセールスポイントとなり得る。そのためには、荷主企業とタイアップするなどにより、商品知識に対する研修機会を設けることや、貨物取扱いに関する技術研修等を実施することにより、作業員の更なるスキル向上を図ることが求められる。

 

2] 荷主企業とのEDI化による企業間連携の向上

・荷主企業とのEDI化を図り、情報を共有できる体制を構築することは、荷主企業との結びつきを強め、強固な関係を構築する上で、極めて重要かつ効果的である。

・港湾物流事業者には、荷主企業と共有化することが可能な情報システムを積極的に導入するとともに、情報管理も含めた包括的サービスを提供していくといった取り組みが求められる。

・また、この様な企業間連携を図る際には、長期的には荷主の協力を得ながら、仕様の標準化についても検討していく必要がある。

 

3] ISO9000シリーズ等の取得による信頼性の向上

・ISOは国際標準化機構であり、各国の工業規格を標準化する目的で設立された機関である。ISO規格は世界的に採用されており、日本でもISOの認証を取得する企業が増加している。

・わが国企業が積極的に取得しようとしているISOの認証のうち、品質保証のためのシステムの確実性について認証するISO9000番台の認証を取得することは、自社の品質管理能力が優れていることの国際的な証であり、港湾物流事業者が、今後、荷主企業とのパートナーシップを構築する上で、重要な要因になるものと考えられる。

 

 

 

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