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2] 複合一貫物流サービスの実施

・外貿貨物を扱う上で、港頭地区は物流経路上必ず通過する地域であり、このことは港頭地区の重要なポテンシャルである。

・従って、1]で述べた一貫輸送に関するノウハウを蓄積し、港頭地区の物流事業者自らが利用運送事業の許可を取得し、バン詰め出しから保管、流通加工、エンドユーザーへの配送までの一連の物流業務を一括して引き受け、実施することができるようになれば、内陸部の荷主施設に集約するケースと比較して、輸送距離の短縮や、経由施設の削減といった点でメリットは大きく、取扱い貨物量の大幅な増加が期待できる。

・しかしながら、このような総合物流企業への脱皮は、中小企業者が多い港頭地区の実態を鑑みた場合、一事業者の努力では如何ともしがたいものがあるため、集約・合併も念頭に置きつつ、これを進める必要がある。

 

方向性(3)-3.荷主企業の取り込み

・港頭地区の魅力を高めるためには、港湾物流事業者と荷主企業とが十分に連携することが必要であるとともに、荷主企業の物流部門に港湾物流事業者が積極的に進出していくことが求められる。

・そのためには、港湾物流事業者が、その取り扱い貨物について、特定の大口荷主に特化し荷主企業に入り込んでいくことや、大型貨物、特殊貨物、小口混載貨物等の特定業務に特化したサービスを強化していく等、明確な事業戦略を確立していくことが必要である。

・なお、港湾物流事業者が特定荷主の貨物の取扱いを包括して請け負えるようになるためには、商品知識、商品管理ノウハウの蓄積を図ること等により、品質管理能力を一層高め、荷主企業の信頼を集めていくことが必要である。

・また、荷主とのパートナーシップを構築する上で、港湾物流事業者がISO9000シリーズ等の認証を取得することは、今後重要になるものと考えられる。

 

 

 

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