2]国際物流経路別にみた重視する目的
例えば、先に示したモデルケースごとに重視されている目的をみると次のようになる。ここでは単一を目的としている場合は少なく、複合的に目的を組み合わせていることが特徴である。
・高級衣料にみる物流システム構築上の目的
季節性、ファッション性が高く商品価値がもっとも高い時に店頭に陳列し販売する必要性がもっとも高い。
このため、迅速性を重視した輸入物流を実施している。さらに、輸入量自体は比較的少なく、このため、輸入手続き等のハンドリングの効率性をも配慮する結果となっている。
・廉価衣料(Tシャツ等)にみる物流システム構築上の目的
アジアからの衣料の多くは廉価なものである。このため、コストを削減することを第一目的として実施しており、コスト削減につながるスケール性も追求している。
・家電にみる物流システム構築上の目的
輸入家電における流通革新が進行しており、物流コスト削減に対する荷主ニーズは非常に高い。さらに、需要地に近い港湾を利用することにより量販店物流センター等へのネットワークを重視し物流管理を厳格化している。
・鮮魚にみる物流システム構築上の目的
鮮魚は海外から数日の内に市場にでることが最低条件である。そのため、最速の物流経路を利用することになり、最も迅速性を重視している。
・青果にみる物流システム構築上の目的
低廉性、少量な貨物量による利便性等を重視する他、海外青果の安全性を最も重視しており、そのための施設が整備されている港湾を利用することになる。
・雑貨にみる物流システム構築上の目的
通信販売で取扱う商品は安いことが特徴であり、また、事業形態から着実に消費者の手元に着くことが重要である。このため、低廉性と調達の確実性を重視した物流が実施されている。