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2 村づくりの展開

 

(1) 過疎化、高齢化、農林業の不振を打開するため、都市と山村との交流を中心として、農林業の再生、雇用機会の確保、若者の定着など、豊かな自然と共生する村づくりを展開している。新総合計画の目標年次(平成14年)には人口1,480人への回復を見込んでいる。活力ある村の維持のため人口1,500人が悲願となっている。

 

(2) 上津江村の村づくり戦略は「観光+農林畜産業」を基本として展開されている。村の自然資源の活用とともに、農林業への参加、体験、自然環境教育などを主体とする交流型の観光レクリエーション整備を進めるという考え方である。単なる交流ではなく、例えば森づくりに参加するとか、農業+余暇空間といった人と人とのつながりを重視するというものだ。

新総合計画は「村づくりと交流事業の展開」という一章を設けて、交流ビジョンを打ち出しているが、その中で交流施策の体系として次の三つを挙げている。

1) 交流相手の発掘〜都市側からの一方通行的な形ではなく、都市と山村の一体的な交流で、両者が共同して村づくりを進める方向をめざす。交流相手は、本村出身者をはじめ、小中学校の林間学校、子供会や主婦の会など市民団体の野外活動グループと村民や村の子供たちとの交流をターゲットにする。山村と都市の双方にメリットがあり、相互に協力して進める関係が必要である。このため、交流可能な相手のリストを作成する。

2) 交流事業のメニュー化〜村民の協力が何よりも大切であるから、村民の意向調査を行い、具体的にどんな交流を行えるか検討する。交流のメニュー化とその季節別、事業別の整理、事業協力者の養成を図る。行政と住民の役割を確認する。

3) 交流事業と観光事業の結合・組織化〜農林生産活動体験のイベント化を図る。観光レクリエーション施設を活用した交流事業を進める。イベント事業と交流事業の結合と組織化を図る。

 

(3) “森林ランド”構想

上津江村は総面積の90%以上を森林が占め、優れた自然景観と地形、清流をそのまま交流拠点とすることが出来る。そこで、全村を「森林ランド」としてとらえ、具体的に四つの地域に分ける次のようなゾーニングを設定している。(図2)

1) 森林スポーツ・レジャー型ゾーン〜レーシングパークのある高原地帯で、森林スポーツ施設を導入したスポーツ、レジャー型地域として整備する。

 

 

 

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