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まず最初に、小島さんから、お話いただきます。

 

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小島/小島です。

私は難聴になったのは、中学校に入る前に内耳炎になった。高校大学と進みまして、大学で一人暮らし。大きな講堂で補聴器を使う。補聴器を使って聞くというのを繰り返してきました。普通では話ができない。無事就職することができまして、その時にたまたま地元の方で開業した補聴器屋さんと出会いました。わりと勉強熱心な補聴器屋さんでよい補聴器が出ると紹介してくれる。補聴器についてはお陰で財布が軽くなった。補聴器については、いろいろアドバイスをもらって、なんとか自分の耳にあった補聴器を繰り返し、買って来ました。補聴器には熱心ですが、それ以外にはあんまり手を伸ばさないとそれが不満でした。不満がだんだんたまっていたころに、立入先生と出会いまして、補聴援助システムについて、いろいろ助言を頂いて、後で使うようになったんですが、少し話を進めまして、2番目ですが人工内耳では山田さんにしても、よく聞こえる、という話が次々出ております。レポートを読んでも補聴援助システムを使うとよく聞こえるという話があります。

私のほうはむしろ、補聴器を使ってどうもよく聞こえない、と言う点に意識が集中しておりまして、どちらかというと、聞こえて当たり前という気持ちが先にあります。

よく聞こえない、そういう事態になりますと、おおいに不満がたまる。今日の午前に愛媛大学の先生がよく纏めましたが、補聴器の問題は一つはうるさい、ノイズですね。沢山の人のいる場面、会議などですが、私の場合は、会議の場面ですね。なんとかこういう場面でよく聞きたい、という気持ちは切実です。それからもう一つ、先生方はおっしゃっていませんが、電話の問題です。補聴器を使っている人にとって、補聴器プラスアルファで聞きたい。

現在のところ、会議のとき、こういう講演会、シンポジウムのときは、FMの補聴器を使って聞いております。それから電話機ですけれども、良い電話機がつくられておりますけども、私の職場はいろいろ場所を変わりますので、変わった時でもその電話機にうまくあわせられるよう、電話の受話器を差し替えることができるようにということで、アメリカから個人輸入して、受話器を差し替えて使っております。が変わるんですけども、現在、福祉の世界は大きく変わっています。今日午前中にも話でました介護保険は、直接身体障害者福祉に関係する部分もありますが、今のところ、身体障害者の福祉を担当する市町村、それが介護保険のからみで残業を繰り返すような忙しい時期になっております。難聴者には手がまわらないのが現実です。障害者プラン、がありますが、障害者の福祉、難聴者の福祉もこれに入るのですが、今年度から重点をかえて、障害者の福祉という場合、厚生省のほうが身体、精神、内部の3つありますが、精神障害の方に力を入れようとしています。比較して、難聴者の福祉が片隅に追いやられています。それからもう一つ、社会福祉基礎構造改革の中間まとめが去年の夏に出ましたが、この基礎構造改革は、これは今後の社会福祉の枠組みを大きくかえようというもので、障害者それぞれの主体性を尊重しようという項目が入っています。主体性の尊重は良いことなんですけども、逆にいえば、自分のことは自分で、自分達の選択にゆだね、行政はあくまでもサポートするだけであるということであって、私たちのやらなければならないことが増えてきます。

 

 

 

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