は、オイルパンのツバ付きとツバ無しの条件変更も同時に折り込み実施した為、完全に換気条件の差だけの比較とは言えないが、Type-A及びType-Eにおいて実施した比較結果から、試験の結果に有意差が有るとは言えないと考えられる。よって、この「draught free」の条件については、「一般的慣例として考えられている風速が0.5m/s以下の換気条件」として差し支えないものと考えられる。
また、換気装置を使用せずに全く風が無い無風状態時の条件を作る事は、試験時のヘプタン及び燃料ホースの燃焼により、かなりの煙および燃焼ガスを発生する事から、試験実施者の安全性の保持に対する観点からも、危険であり避けるべきだと言える。よって、この「draught free」の条件については、「風速が0.5m/s以下の換気条件」を推奨して解説等に記載する事を提案する。
6)オイルパンのツバの有無について
今回の試験では、取り扱いが便利な「オイルパンのツバ付き」のものを最初に使用したが、試験時ツバの幅30mmの上にも炎が廻り、見掛け上のオイルパンの燃焼面積が広くなる傾向が見受けられた為、「オイルパンのツバ無し」の条件に変更して追加試験を実施した。しかし、ヘプタン自体の燃焼がかなり大きく広がりがある為、オイルパンのツバの有無について大きな有意差があるとは考えられなかった。
7)燃料ホースの材質及び構造について
今回実施した試験においては、すべてのホース表面は燃焼しており、材質的にも本規格の合致するのは難しいものと考えられる。唯一合格すると思われたType-Eについても、表面が燃焼しながらも肉厚の為になんとかこの耐火試験をパスしたという感じだと言える。本規格に合格する燃料ホースとしては、外被に難燃性の材質を使用する、または難燃性の材質で保護された製品を製作する必要性があるのではないだろうか。これは、Type-A及びType-Cの試験において保護テープ又は保護リボンを巻く事により、150秒の耐火試験に効果を示した事からも明確と言える。
接続部については、今回の試験品はすべてホースバンドを使用していたが、Type-Aの結果からも燃料ホース自体は耐火試験に耐えていても、接続部が耐火試験に持たずに外れてしまう事例が確認された。ホースバンドによる固定方法は、構造が簡単で安価と言えるが耐火性能を考えた場合は、性能改善の工夫が必要と言えるだろう。