3. 試験装置の検討
試験装置の検討においては、本規格である「JIS F 7151舟艇-耐火性燃料ホースの附属書A(Annex A)耐火試験(ISO7840:1994(E)Small craft-Fire‐resistant fuel hoses Annex A Fire test)」と類似規格である「SAE J-1527 MARINE FUEL HOSES」を参考とし比較した。(添付規格参照)
本規格「JIS F 7151(ISO7840)」とSAE規格「SAE J-1527」の比較を表-1に示す。
これらを比較すると、基本的な試験の目的は同じであるが、いくつかの相違点がある事が分かる。
SAE J-1527には、JIS F 7151(ISO7840)には規定されていない以下の点が付加されている。
1)試験時の試験体の温度測定条項
2)試験装置のセットアップにおいて、安全の為の隔壁を設置、および燃料タンク位置を、その隔壁から1.8m離す様に規格に規定
3)試験終了後、試験体に燃料のヘッド(900mm)を加えて、漏れを確認
4)試験環境の風速
又JIS F 7151(ISO7840)には、SAE J-1527には規定されていない以下の点が付加されている。
1)試験時間の中で、試験体が炎に包まれている時間を75%以上に規定
2)試験時の燃料および水の量の詳細
3)試験時の室温および燃料、水の温度
試験を実施するに当たり、危険防止の観点から、SAE_J-1527規格の保護隔壁を採用する事とした。また、SAE_J-1527規格の検証も兼ねて、温度測定も実施する事とした。測定箇所はSAE_J-1527規格と同条件とした。また、試験においてはかなり激しい燃焼となり、煙および燃焼ガスを発生する事から、すきま風のない「draught free」の室内であり、又換気装置を備えた施設を使用する事とした。
ここで言う「draught free」の条件としては、一般的に化学実験や火災試験時に使用されるドラフトチャンバーなどのように、供試品の周りの風速が0.5m/s以下の換気条件(一般慣例)時と、換気装置を使用せずに全く風が無い無風状態時の2条件についても一部比較を行った。
また、試験に使用したオイルバンについては、取り扱いが便利なツバ付きのタイプとツバ無しのタイプについても比較した。