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表27 配管系統に及ぼす弁1個あたりの配管抵抗(m) - 逆止玉形弁

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(3)損失係数の考察

実測した損失係数は、JIS船用鋳鉄弁では想定値とおおむね合致したが、配管ぎ装品専門分科会案で試作した弁では、想定値や先の球状黒鉛鋳鉄5K弁の実測値に比べて、やや大きくなった。これは、5K弁に比べて、弁箱の棚、堰を厚くしたため、弁箱流路内の流過面積が若干小さくなったためと思われる。

また、試作した逆止め弁では、リフトを試作した最大リフトの23mmとして測定した場合でも、現行逆止め弁並みの20mmで測定したときと比較して、損失係数の大きな改善は見られなかった。

配管抵抗は、損失係数が一定であっても流速と比容積によって変化するものであり、実験で得られた損失係数が実船の海水系統、燃料系統、蒸気系統にそれぞれ適用した場合、弁1個あたりに及ぼす配管抵抗を計算してまとめたものが表26、27「配管系統に及ぼす弁1個あたりの配管抵抗」である。

この表に見られるように、配管ぎ装品専門分科会案にて作成した球状黒鉛鋳鉄弁を実船の各系統に適用した場合、配管抵抗の増加は微小な値となる。

各系統の総配管抵抗は、配管中の曲がり、分岐、レデューサー、コシ器、熱交換器、流量計により決まってくるものであり、これらは弁に比べてはるかに大きな抵抗を持っている。

従って、今回の配管ぎ装品専門分科会案にて作成された球状黒鉛鋳鉄弁における微小な配管抵抗の増加は、実船の各配管系統の計画にあたって特に許せない値ではないと推察される。

 

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