標準化の要望は外航船よりも内航船の方が高い結果となった。これは内航船が自力着桟を要求される自己完結型であるため、より切実に標準化が望まれていると思われる。更に、実際に使用経験のある方の80%以上が標準化を望んでいることは、ある意味で現在の離着桟援助装置が発展途上の製品であり、メーカー毎に使用が異なるのではなく、早い段階での標準化を望んでいるとも受け取れる。今後は内航船をターゲットとして標準化を検討するのが良いと思われる。
また、標準化の内容については設問の項だけから判断するのではなく、各項の意見の中から抽出する必要がある。特に、2-2項「経験した問題(トラブル)」、7項「全般意見」は考慮する必要がある。
設問2-2項で出された意見を表3にまとめた。アクチュエータ、コントローラに関する意見が多いが根本はシステム設計に関わる問題であると思われる。特に、複数メーカーに跨る問題であり、個々の機器の精度/信頼度は与えられるが、これらを操船システム(離着桟援助装置)として纏めたときの精度/信頼度を求める手法が確立していないと言える。また、問題が生じた時にそれの所掌範囲、責任範囲が明確でないためトラブルとなるケースがある。使用者、造船所を含めた製造者が同じ条件で性能評価できる指標の確立が必要である。アンケート回答の中に離着桟援助装置の性能評価の指標として外乱下での並進性能、保針性能を用いるのが良いとの提案があった。今後、検討すべき課題である。
離着桟援助装置は複数のセンサーやアクチュエータを統合するシステムであると同時に誰着桟という緊迫した局面で使用される装置であるため、安全性については十分議論する必要がある。本調査では安全性についてはそれ程踏み込んでいないため、次年度以降調査研究する必要があると思われる。
その他、飛行機や自動車のように船を代わっても同じ感覚で操船できる様な標準化を望む意見があった。これは離着桟援助装置だけの問題ではないが、使用者側の切実な声である。