1. まえがき
本学会が英国舶用機関学会(The Institute of Marine Engineers、略称:IMarE以下、略称を用いる)との交流を図るべく企画・立案したのは、1991年、つまり、ISME KOBE'90の翌年であった。
1995年のISME YOKOHAMA'95の実行委員長を1990年に拝命した後、1991年には副会長(国際交流担当)を拝命したので、ISME'95の開催に向けて、まず、英国のIMarEとの交流を図りたいと考え、理事会の了承を得た。平田賢会長からも一任いただいて早速、この件の先達である(社)日本機械学会を訪ねて交流協定の結び方等要点を教えていただいた。
その後、原案を作成しつつI.Mar.E.への打診を始めた処、幸運にもMarine Engineers Review誌(IMarE発行の学会誌・月刊、略称:MER)担当のM.Stansell氏(Advertisement Manager)が来日される機会があり、1991年10月7日に東京にて、交流についての最初の打ち合わせを行った(写真1)。爾来、7年を経て、今回、筆者が訪英して講演等を行うことになったが、当時のことを思うと感慨無量である。
今回のIMarEとの主な協議内容やこれまでの交流の経緯については、同席された田中圭氏(Japan Ship Centre,London)の本誌掲載記事に詳しいが、その概要は次の通りである。
(1)ISME2000について
本学会としては、IMarEにISME2000のCooperative学会になってもらいたい旨申し入れ、今後、文書にて確認することとした。
(2)IMarE会長の任期等について
少なくとも、ここ1〜2年は1年任期が続く予定との由である。従ってISME2000の時期は、次次期の会長になるので、決まった段階で具体的に詰めることにした。
(3)文献電子情報等の相互利用について
本学会が現在進めている図書・文献等の電子情報化事業について説明し、協議した結果、先達のIMarEのサービス状況等を参考にしながら、会員にとって、できるだけ有意義な相互利用の方法を今後、当事者間で詰めることにした。
筆者の講演は10月6日に行い、講演約1時間と4人の討論者による約30分の質疑応答があった。特に標記分野の世界的権威で筆者の恩師でもあるR.B.Waterhouse博士の発言は重みが有り、会場の方々に感銘を与えたようである。本講演の内容は、質疑応答を含めて、いずれTransactionに掲載される予定であるが、その概要は次項に示す通りである。
講演の後、Author's Dinnerがあり、Alan H.Taylor会長、D.R.Cusdin前会長、Peter H.Gee次期会長、Jolyon E.Sloggett事務局長、Robert B.Waterhouse博士らのほか、本学会の会員・田中圭(Japan Ship Centre)、土屋安宜(ClassNK)、竹内正明(Honda U.K.)の諸氏らも参加されて実り多い会合であった。
10月7日には、恒例により、I.Mar.E.会長・事務局長夫妻を招いて懇談の機会を持ち、筆者および本学会の会員諸氏らとの親交を深めることができた。このほか、2000年10月に開催するISME TOKY0 2000への協力を、日本大使館・山田浩之一等書記官や関係各位に1st Circularを手渡して要請した。
*原稿受付 平成10年11月6日
**正会員 社団法人日本舶用機関学会 会長 東京商船大学名誉教授(江東区越中島2-1-6)
注)本事業は、日本財団の補助金を受けて実施したことを広く会員に報告するもので、同会に深く感謝の意を表します。