報告 「国際燃焼機関会議(CIMAC)重質油ワーキング・グループ会議」に出席して*注)
岡田博**
この度、当学会の技術者海外派遣事業の一環として、CIMAC WG“Heavy Fuel"会議[第40回、1998年9月15日(火)MAN B&W Diesel A/S,Copenhagen,Denmark]に出席した。その会議内容と、最近の舶用ディーゼル機関の、排気浄化技術に関する情報との概要を、それぞれ述べる。
1. CIMAC WG“Heavy Fuel”会議
会議場のあるCopenhagenには、成田から直行便で11時間半、午後4時過ぎの到着になった。残暑の厳しい気候から一転、晩秋を思わせる冷雨の降る市街に降り立った。
Copenhagen(図1)は、近郊都市を含めて人口150万人のスカンジナビア最大の都市である。“商人の港”を意味するこの都市の歴史は、1167年にアブサロン大僧正が、スロッツホルメン島(現在、国会が建っている地区)に要塞を築いたことに始まる。クリスチャン4世の時代、2度にわたる占領(17世紀と第2次大戦)、疫病や2度の大火(18世紀)など、さまざまな試練を乗り越えて、19世紀半ば以降、Copenhagenは絶えず発展を続け、清潔で美しい町並み・豊かな緑と多くの広場が点在し、“温かみのある雰囲気”(hyggeと表現する)に浸ることができ、加えて各国からの交通も良く、会議場に相応しいと思われた。
会議場のあるMAN B&W Diesel A/S社
Telgholmen工場は、4年前にStamholmenから移転した近代的な部品製作工場である。会議は、工場の入り口横にある会議棟(図2、社員用のスポーツジムを兼ねる)のNo.2会議室で開催された。
議長のMr.k.Aabo(MAN B&W Diesel A/S)が、
*原稿受付 平成10年11月4日
**正会員 東京商船大学教授(江東区越中島2-1-6)
注)本事業は、日本財団の補助金を受けて実施したことを広く会員に報告するもので、同会に深く感謝の意を表します。