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環境保全型里地づくり

連続セミナー3]

里地共生事業のガイドラインについて

 

講 師 : 三井情報開発株式会社環境計画チーム 白井信雄

開催日 : 7月28日(火)

場 所 : 環境パートナーシップオフィス

 

1.環境政策と里地づくり〜エコビレッジ

環境政策における里地づくりの検討の始まりは、エコビレッジ構想。エコビレッジ構想は、エコビレッジ研究会(北村得夫氏主査)が1992年に発表。同構想は、循環型環境保全社会のモデルとして、中山間の農村のあり方を提示したもの。長期的には、定住、半定住を導くことを目的としている。リゾート開発構想との違いが明確でないという批判もあった。

その後、エコビレッジ研究会では、エコビレッジの実現に向けた都市側からの呼びかけを行った。結果、大分県久住町で「地球にやさしいむら」の検討があり、研究会からも、メンバーを派遣。検討の中心は、当時自治省から久住町に出向していた山田氏。「地球にやさしい」の意味は、

・地球上の他の地域の人々に対して、ツケ回しをしない。

・地球上の自分と異なった立場・条件の下にいる人々に対して、ツケ回しをしない。

・将来の世代の人々に対して、ツケ回しをしない。

・人間以外の他の生物に対して、ツケ回しをしない。

また、むらづくりのための要素として、「人」、「場」、「しくみ」の3つをあげた。

 

2.地球環境時代の里地づくり〜 里地研究会

1994年に策定された「環境基本計画」の中で、山地、里地、平地、沿岸地域が定義された。このうち、国土の約半分を占める里地については、これまで、どのように環境を保全するのか、どのような環境施策を展開すべきか明確にされてこなかった。

この点を検討すべく、1995年に里地研究会設置。内藤正明、佐藤誠、鈴木繁夫、瀬田信哉、盛岡通の5名の委員、環境庁職員、民間シンクタンタ等がメンバー。

議論のポイントは以下の5点。

・里地では、経済活動のあり方、地域づくりに踏み込んだ議論が必要。

・里地の活性化の最終目的は「活き生きとした暮らし」

・環境基本計画の目標である「循環、共生、参加」は一体的にとらえるべき。

・里地づくりはアクションの連続で、地域を変えていくダイナミズムが大切。

・里地づくりには大都市住民の関与が必要。里地のライフスタイルの普及と大都市から里地への移住を目標とすべき。

里地づくりの考え方として打ち出した要素は、「共生性」、「参加性」、「経済性」。

また、地球環境時代の里地づくりと、従来の里地づくりとの比較も行った。

さらに、アクションプログラムを提示。ポイントは、

・企てる(里地づくりの認識と地域の再評価)

 

 

 

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