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長野調査資料1]

 

生産システムのご案内

 

「必要なもの」を「必要な時」に「必要なだけ」お届けするために。

KOAは"ものづくり"の仕組み

を根本から変えました。

 

KPS(KOA Profit System)

 

経営環境の変化に対応できる、強い企業体質を目指して。

大量生産・大量消費の時代に支えられて、順調な成長を続けてきた日本の製造業。しかし、1980年代に入ってからは、その経営環境は次第に変わっていきました。エレクトロニクスパーツメーカーであるKOAもその例外ではありません。ユーザーニーズの個性化・多様化にともなう、多品種少量生産への移行。商品のライフサイクルが短くなり、市場が小口化・短納期化することで、ジャストインタイム供給への要求も強まりました。円高の進行や発展途上国の市場参入による、市況の変化や価格競争。大量生産を支えるため設備投資は大型化し、倉庫には大量の在庫品が眠るようになりました。これらの経営環境の変化へ対応するために、1987年3月にKOAが導入したのが、経営改善活動ΚPS(KOA Profit System)なのです。

 

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あらゆる場面でムダを追放、KPS活動は次第に実っていきました。

当初の目標として設定されたのは、次の3つです。棚卸資産(製品・半製品・原材料)を1/3にまで減らすこと。生産リードタイム(製造指示から製品を納入するまでの時間)を1/4にまで短くすること。そして設備効率を2倍に向上させること。この目標を達成するために、社内にΚPS推進本部が発足し、社員の意識改革や啓蒙活動に着手したのです。外部からの改善指導や実践研修を経て、製造部門・物流部門・間接業務部門、あらゆる場面での改善が進められました。すべてのシステム、モノや情報の流れをシンプルにすることで、「ムダをなくす」ということに力が注がれました。やがて、KPS活動は徐々に実りはじめ、利益の生まれる企業体質へとKOAは生まれ変わっていったのです。

 

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理想的なものづくり"のため、KOAは新たな実験に取り組んでいます。

KPS活動を続けていくうちに、KOAの生産システムは大きく様変わりしていきました。なかでも最も大きな変革となったのが、1993年から導入した「ワークショップ体制」への移行。これは従来の分業方式をやめ、受注〜生産〜品質保証〜配送までを20人程度の小さな組織で一貫して請け負うという構想です。お客様の顔が見える"ものづくり"を通して、お客様との信頼関係を築き、そして製造部門にはつくる喜びを感じてもらいたいという考え方がそこにあります。人間性を大切にすること、自然環境に配慮すること、そして暮らしを豊かにすること。KOAの理想とする"ものづくり"のため、KPS活動は新たなステップを歩みはじめています。

 

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KOAの生産・サービス体制

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