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長野地域環境保全型

里地づくり調査報告書

 

〜天竜川流域の循環型社会づくりの取り組み〜

 

調査概要

 

諏訪湖及び天竜川水系は、この集水域全体の産業と地域社会の在り方のバロメーターであり、水質の変化は、地域社会のあり方そのものを反映している。この諏訪湖及び天竜水系において、環境保全のために、以下のようなさまざまな市民活動、企業活動が、地域住民の主体的な参加によって行われている。

 

・ 平成元年に発足した「泳げる諏訪湖を」目標に掲げた市民団体「諏訪環境町づくり懇談会」の取り組み

・ 平成2年に発足した「伊那リサイクルシステム研究会」と流域一斉の環境美化運動「環境ピクニック」の試み。

・ 「農民による工業の樹立」を理念に設立され、現在は、「農工林一体論」を目指す取り組みが開始されているKOA株式会社の取り組み

・ 平成6年元信州大学教授の島崎洋路教授が設立した「島崎山林研修所」の取り組み

・ 都市農村交流を通じた遊休農地の活用策に関しての先進事例である長野県四賀村クラインガルテンの取り組み

・ 長野県阿智村における産業廃棄物処理場問題を契機に平成9年に設立された「社会環境アセスメント委員会」の循環型社会を問う試み。

・ 野鳥とアカウミガメの保護運動から始まった「サンクチュアリージャパン」の取り組み。

 

この個々の取り組みは、諏訪湖及び天竜川流域全域における地域社会のあり方を問う運動であり、流域人口や企業数に比較すれば小さく見えるかも知れないが、多様な主体が参加し、学術的な検証を行い、徐々に、確実に参加住民、参加企業の数を増やしている。今後、大きな流域運動へと展開されていくことが期待される。

本調査は、流域におけるさまざまな運動を把握し、その要因を調べ、他の流域での活動を促すことを目的とする。具体的には、実際に活動を行っている、企業、市民団体等に対するヒアリングを通じて、取組の現状を把握するとともに、海外の先進事例を調査し、今後の取組の方向の一つとして提示した。

 

<長野地域環境保全型里地づくり研究会委員>

社会評論家  高杉晋吾

中部リサイクル運動市民の会代表  萩原喜之

島崎山林研究所所長  島崎洋路

(財)水と緑の惑星保全機構里地ネットワーク事務局長  竹田純一

 

 

 

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