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「ドングリ遊び大会」には学校行事の関係で参加できなかった高校生ボランティアではあるが、何かのたびに気軽に児童センターに顔を出してくれるようになり、 1月の「新春もちつさ大会」にはなくてはならない、頼もしい存在であった。高校生にとって、ボランティアに行くというよりも自分らしくいられる、居心地のいい場所である児童センターに「遊びに行こう」という気持ちが先にたっただけで、「〜をしてあげよう」という気持ちが彼らを動かしたわけでもない。それが将来的には、ボランティアという形につながるのかもしれないが、もしかすると、これがボランティアの自然の姿なのではと考えさせられた。ボランティア育成として、人材を発掘したり、組織化することも取り組むべき課題ではあるが、「もう一度遊びに行ってみよう」と思ってもらえるような児童センターを作るということも、見落としてはいけない課題であると感じた。

自分の持ち味を活かし、それを地域のみんなに返していく、そんな人々の交流が児童センターで行われるのなら、地域への扉が開かれ、そこに地域のボランティアの輪を広げていくことのおもしろさがふくらんでくると思う。

 

今後の課題

今回、ボランティアコーディネーター事業に取り組み、地域の資源に目を向け、新しいボランティアの人材発掘を事業のねらいとしていこうとしたものの、既存のボランティアクラブ(ジュニアリーダークラブ)と高校生ボランティアの基盤を整えるまでとなり、ボランティアの組織化まで至らなかった。

今回の活動をふまえ、児童厚生員自身が地域へ出て、いろいろな人々と交流し、地域資源・人材発掘のリスト作りを意識し始めたところなので、今後、さらに情報のキャッチボールをしていけるようなスタンスをとっていきたいと思う。

何といっても、子ども達の心の中にいろいろな気持ちが芽生えたことは何にもかえがたい大きな収穫であった。また、地域資源である公民館とのつながりのきっかけができたこと、広報活動にも力を入れ、PRすることも地域とのネットワーク作りへの重要課題と確認できたことも今後の児童館活動の幅が拡がりにつながると考えている。

すぐに目に見える形としては児童館活動も展開していかないかもしれないが、「地域」という視点を加え、児童センターに地域資源を巻き込むという土壌作りにようやく手掛け始めた、これが私達の「はじめの一歩」なのである。

多くの人と出会い、人の輪を作り、人と人とのつながりを大事にしてこそ、ボランティアコーディネーターとしての役割が活きてくるということを今回の事業を通して、つくづく考えさせられた。私のモットーである、「笑顔には笑顔が寄ってくる」、を胸にこれからも児童館活動を展開していきたいと思う。

 

 

 

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