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4. 児童館に来る高校生に対する社会的責任について

今年の1月に“焼肉定食”の高校生メンバーの保護者に児童館から手紙を出して、活動が京都市ボランティア協会の機関紙にとりあげられたという事を伝えました。実際のところ私たちはサークルを結成してからのメンバーの活動と人間としての成長を伝えたいと思いますが、それを伝えることが良いのか戸惑っています。

彼等は高校を卒業して社会に出なければならない、その時期は確実に近いのです。その事を考えると私たちの微力さを感じています。保護者の方は『大事な時期にいつまでも』と思われていることでしょう。

しかし、はっきり言えることは、活動を通して人としての成長をしていることは確かです。困った時に相談できる仲間や大人が居ると思っていることも確かです。社会に出た時に一番必要な事で、いま欠けている事だと言えると思います。ただこのような事を大切にするより、目の前にある成績、有名大学、有名スポーツ選手につながる事が社会に出るために目指すものとなっています。本来の人として豊かに育つという事と、あまりにも違う価値基準が世間には存在していると思います。この事の問いかけは『子どもの権利条約』が目指すものと思います。

児童館での中高生活動が進んで、児童館の活動がもっと知られるようになる事を願います。平成11年度の全児童のセミナーで助言者の方が言われたことで『中高生が児童館に来て何かしている事を、学校で勉強できる事と同じくらいの評価をしてもいいのではないか』という言葉が心に残っています。

 

5. これからは、ハード面の充実がキーとなります。もっと豊かな中高生の活動が出来るように、桂児童館も児童センターにして機能の拡充を

桂児童館で一定の中高生活動が展開できているのは、図書室にソファーが置ける、ホールが広い事、屋上での若干の球技が出来る等の条件が有ります。しかし、図書室が少し広いといっても工作室と兼用で東京都内では考えられないことです。またホールは4階の保育所と兼用です。このホールで高校生がドラム叩き、バンドの練習を頻繁に始めたらどうなるか、やはり限界があります。

この前の土曜日は“焼肉定食”が日曜日にバザーをするので、午後準備のため児童館に集まりました。そうすると大人5人、高校生13人が図書室でワイワイです。この日はなぜか中学生が4人、小学生の6年生がグループで8人、これが2台の卓球台を出して遊び出すとホールは一杯です。その中にまだ自由来館の小学生がトランポリン等で遊び出すと、1年〜3年の学童っ子ははじきだされ、気温8度の戸外のベランダと屋上で遊んでいました。こんな日ばかりではありませんが、高学年の人数が小さい子どもより多くなると、こういう状況になるのはどこも同じだと思います。

これからも中高生の活動を続ける為には、中学生に焦点を合わせないと、いまいる高校生の後が続きません。屋上に雨天体育設備と防音装置の音楽室が有る児童センターに機能を昇格して欲しいと、切実に感じるようになりました。また中高生が多彩なクラブをつくり、その活動をパソコンを使ってインターネットで発信したり、中高生のホームページを開く等の活動が出来るようになったら、中高生の館として児童センターは輝く存在になるでしょう。

桂児童館のパソコンと周辺機器の充実はまだまだこれからです。中高生活動支援としての交付金が生まれることを期待しています。

 

 

 

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