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クラブ児童にとっては一日生活する場所なので「きれいにしようね」と話し、一般児童にはクラブ児童がいつも気持ち良く清掃してくれていることを伝える。どんな行事をもっても準備と片づけがあり、皆の手を借りなければならない。「皆がいてくれてうまくできてよかった、ありがとう」と声掛けをする。時には嵐が吹き荒れることもあるが、大きい子がいて頼もしく、小さい子どもがいてかわいいと互いが思い合っているようだ。また、学習している時間に用事で立ち寄った母親クラブさんから辞書の引き方を教えてもらったり、老人クラブさんから将棋の駒の進め方や、ゲートボールのやり方を教えてもらったり、“無理なく自分のできることで何とか役に立とう”と特別意識はしていなくとも、皆が集える児童館だからこそボランティア精神が育まれる可能性が大きいのだと思います。

それぞれが皆それぞれの恩恵を受け、誰一人自分と同じ人は居らず、誰もが支えがないと倒れかかってしまう。自分を大切にすると共に、他人と手を取り合って行かなければならない。核家族化が進み、人と人とのふれあいが地域の中で希薄になりつつある。ちょっと困ったことがあれは、声掛けにより手助けできるようなボランティアの輪を児童館を通して拡げていかれたら、負担を感じずに憩えるのではないだろうか。

 

今後の課題

施設訪問を皮切りに、事業に取り組んだ。子ども達が「ミシン掛けが楽しかった、あげたら喜んでくれて嬉しかった」と自分が楽しんで行ったことが笑顔につながったことに胸が熱くなったようだ。この光景は保護者にも見られた。そして子ども達がかねてより木工製作に興味を示し始めていたところ、木工用機材が与えられ、この次は何に挑戦しようかなと益々夢が広がっている。電動なので細心の注意が必要なことも良い経験となった。物を作る楽しさ、できあがった時の嬉しさは皆同じだ。お父さんの手もたくさん借り、初対面の参加者とも心と心がつながった。

子ども達の活力は元気の源、皆の宝である。子どもが一人で悩み込むことのないよう、周囲の誰かが子どもから出される信号をキャッチし支えられるよう、地域や家庭の中に児童館の輪を拡げていきたいと考えている。

 

 

 

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