1. 鳥類の進化と特徴
「バードウォッチング案内人」に必要な知識は、野鳥を通して自然に親しむことから「自然と人との共存」の考え方を広めるためには、第1章、第2章の基本的な理解に加えて、おおむね『新・山野の鳥』1〜21ページ、52〜57ページ、63ページと考えています。ここでは、『世界文化生物大図鑑3鳥類』(世界文化社)を参考に、鳥という生物について、もう少し詳しく見ておきましょう。
以下は、第2章で述べた「関連性」の「暮らし方にはワケがある」「姿かたちにはワケがある」に結びつくことです。
鳥類は、ほ乳類と同じく爬虫類から進化したと考えられる脊椎動物で、恒温動物です。動物食が多く、高い生態的地位にあります。ほ乳類の現在約3千種に対し、鳥類は約9千種と繁栄しています。夜の生活を主とするほ乳類が嗅覚を発達させたのに対し、鳥類は飛ぶために昼の生活を基本として視覚を発達させ、また、あらゆる環境に進出しました。最大の特徴は羽とその色彩です(ほ乳類には黒色メラニン色素だけですが、鳥類にはさまざまな色素が知られています)。
鳥類の起源については、恐竜の直系の子孫か否か、飛翔は地上から飛び上がることから始まったのか、木から飛び降りることからなのかなど、さまざまな議論があります。始祖鳥は1億5千万午前の化石とされていますが、その後、中国やモンゴルで、始祖鳥に前後すると考えられる生物の化石が見つかっています。(参考になる会誌として、『野鳥』(1994年2月号)「恐竜・始祖鳥」)
森林性の鳥など、相手を発見しにくいものではさえずりなど、声を発達させました(左脳による学習というヒトとの共通点が、近年確認されています)。