日本財団 図書館


2]近隣拠点港におけるトランシップを活用した世界各地と結ぶ輸送体系の構築

 

1]で示したアジア域内航路のうち、釜山港など近隣の拠点港と結ぶ航路においては、当該拠点港においてトランシップを行い、北米航路、欧州航路等と接続させることにより、長崎港と世界各地とを結ぶ輸送サービスを提供することが可能となる。

九州域内の地方港では、大分港、伊万里港の韓国航路において釜山トランシップによる各地への輸送サービスが提供されている。このうち、大分港においては、当該航路を運航する船社と、釜山港と欧米等を結ぶ基幹航路の船社の提携により、主に世界各地の拠点港(シンガポール、ロッテルダム、ハンブルク、ルアーブル等)への輸送サービスが提供されている。一方、伊万里港においては、当該航路を運航する船社の自社航路により、主にアジア各地(香港、シンガポール、バンコク、スラバヤ、ポートケラン、マニラ、大連、新港等)への輸送サービスが提供されている。

なお、拠点港へのフィーダー航路として、瀬戸内海沿岸諸港では神戸港・大阪港への内航フィーダー航路も活用されているが、長崎港においては、地理的特性から韓国航路もしくは東南アジア航路を活用し、釜山港、高雄港などをトランシップ拠点とすることが有効と考えられる。

こうした輸送サービスの提供により、長崎港周辺地域の荷主にとっては、最寄りの長崎港を通じて世界各地との輸出入が行えるようになり、長崎港を利用するメリットが高まる。一方、当該航路の運航船社においても、取扱貨物量の増加によりさらなる航路網充実が促進される。

 

図6-1-3 長崎港周辺地域と世界各地とのトランシップによるコンテナ輸送のイメージ

146-1.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION