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2. 外航船社の意向

 

(1)航路概況

 

1]韓国船社

 

今回調査を実施した外航船社のうち、韓国船社2社の日本における寄港地は次に示すとおりであり、いずれも地方港も含む全国多数の港湾と韓国(釜山)との間に定期航路を開設している。投入船型は100〜400TEU程度である。

また、釜山港でのトランシップにより、自社航路を通じて中国・東南アジアとの輸送サービスを提供するほか、大手船社の基幹航路と結んで北米・欧州等へもサービスを提供している。こうしたトランシップ貨物は地方港の取扱量の約半数に達するとされる。

・K社:(東京・横浜・千葉・豊橋・名古屋)、(大阪・神戸)、(苫小牧・酒田)、(細島・水島・和歌山・泉北)、(徳島・高松・福山・広島)、(新潟・直江津・富山・金沢)、(舞鶴・敦賀・金沢・境港)、

・L社:(横浜・東京・清水・四日市・名古屋)、(大阪・神戸・徳島・高松)、(門司・伊万里・広島)、(松山・今治・広島)、(苫小牧・石狩・秋田・新潟・金沢・富山・舞鶴・敦賀)

 

2]中国船社

 

ヒアリングを実施した中国船社2社は、いずれも中国政府直轄の大手であり、日本側寄港地として、横浜、名古屋、大阪、神戸の4港、もしくはこれに東京、北九州(門司)を加えた6港を中心に航路を展開している。投入船舶は、M社では400〜700TEU積みが中心である。中国側寄港地は沿海部が中心である。

なお、近年わが国の地方港で積極的に航路展開をしている船社の多くは、各地方の中小船社であり、入船舶も100〜200TEUといった小型船である場合が多い。

 

3]台湾船社

 

ヒアリングを実施した台湾船社は、東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、北九州(門司)の6港をベースポートとして台湾・東南アジア方面に航路を展開しているが、近年、千葉、清水、四日市、水島、岩国、徳山の6港を寄港地として追加している。台湾(台中、高雄)を拠点としてトランシップにより東南アジア、インド・パキスタン、中東への輸送サービスを提供している。

投入船型は1,300TEU程度で比較的大型である。

 

(2)現航路の問題点

 

1]輸送需要の低迷と運賃下落

 

各社共通の問題点は、アジアおよびわが国の経済停滞に伴う輸送需要の低迷と船社間の競争激化による運賃相場の下落である。特に、これまで毎年二桁の伸びを示してきた日中航路も、今年は通年で輸入がマイナス成長となる見込みである。

 

 

 

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