(3) 最新動向および先進事例
1]JTRNの動向
1997年6月に通商産業大臣と運輸大臣の連名で告示された「国内陸上貨物取引及び輸送・保管の分野において荷主及び陸上運送事業者等が行う電子計算機の連携利用に関する指針」(連携指針)により、JTRN(Japan TRaNsport)が国内唯一の物流EDI標準として定められた。
その後物流EDI推進委員会によりJTRNの機能改良・開発が行われ、1998年3月にJTRN第二版(2A版)が完成した。このJTRN-2A版では、運送関係の標準メッセージを追加するとともに倉庫関係の標準メッセージを新たに開発し、これにより全産業界の荷主企業と物流事業者が、物流EDIによる電子商取引を物流業務に幅広く適用することが可能となった。
JTRNは、日本国内全ての産業界の物流EDIに対応できる汎用標準として作られており、全産業界に必要な標準メッセージ、データエレメント、データコード等を網羅したフルセット標準となっている。
したがって、特定の荷主業界からみると余分な標準メッセージやデータエレメントが含まれており、今後JTRNの普及のためには、荷主業界ごとに必要な標準メッセージやデータエレメントを抜き出したサブセット標準を作成することが必要となる。物流EDI推進委員会では、各荷主業界に対し、JTRNサブセット標準の作成を働きかけるとともに、業界ごとのメッセージの運用方法等をきめ細かく定めた利用マニュアルを作成することを推奨している。
すでに日本電子機械工業会(EIAJ)と石油化学工業協会(JPCA)では業界としてのJTRNサブセット標準を完成させており、その他繊維業界などでサブセット標準作成の取り組みがなされている。