(2) 物流情報化に向けた課題
1]幹線共同運行
本調査で特筆すべき物流情報化に向けた課題は特にない。
2]地区内共同集配
1)都市内物流共同化の社会的意義に対する理解の共有化
都市中心部などにおける共同配送は、渋滞の緩和、都市アメニティの回復など、都市問題の解決という側面が強い。このため、一般の物流共同化とは異なり、必ずしも荷主や物流事業者には共同化の直接的なメリットが大きくなく、地域住民や地域社会全体が主たる受益者となる。こうしたことから、物流共同化を実現させるためには、荷主、物流事業者、地域住民、地方公共団体などの幅広い理解・支援を得ることが必要である。
2)情報システムの活用による共同化効果の拡大
直接的には特に情報化に対する対応を行わなくても、共同集配自体は実施可能であるが、さらに、情報化の効果を活用することにより、積載効率の向上などいっそうの物流効率化が図られる余地が残っていると考えられる。
3]トラック事業者による貨物・車両相互融通
トラック運送事業における全国的な求貨・求車情報ネットワークシステムであるKIT及びローカルネットワークシステムの九州における加入状況をみると、KITに12組合、ローカルネットワークシステムに5組合が加盟しているものの、KITの設置端末数は21台にとどまっており、福岡県以外は1〜2台しか設置されていない県が多い。ローカルネットワークシステムも組合員は50社であり、いずれもごく一部の事業者が加入しているにすぎない。
両システムとも、普及率が低いため、貨物情報・車両情報が少なく、その効果が十分に発揮されておらず、利用普及が課題となっている。