地上インタロゲータ装置の故障診断は、地上照査装置を利用して行う。診断は、はじめに送信を行い、地上照査装置の固定伝文を書き換え、次に書き換えた固定伝文を受信し、送信した伝文と照合する。これを一定周期で繰り返し行う。故障の判定は、照合不一致または一定時間の受信断によって行う。ただし、通信領域に障害物(列車を含む)が存在した場合にも同様の状態(受信断)となるため、以下のように区別する。
a) 故障と障害物の区別
→基本的に区別することは困難である。ただし、障害物によるときには、診断を継続することで、障害物がなくなった時点での受信再開が期待できる。
(2) 地上装置
1]位置補正用
車上から故障通達を受けた場合、地上インタロゲータ装置に関する制御を停止する。
2]列車検知用
地上インタロゲータ装置が故障した場合、当該地点における列車検知が出来なくなる。
(3) 車上装置
地上インタロゲータ装置が故障した場合、故障した当該装置からの位置補正(絶対位置の受信)が出来なくなる。このため、速度発電機による走行距離の算出誤差が増す。対策として、車上装置において、この誤差を考慮して速度制御パターンを作成する方法が考えられる。
故障した地上装置に対する処理は省略する。
3.2.5.2 車上レスポンダ装置の故障
(1) 故障診断
以下の方法によって故障診断を行う。
1]受信部の診断
車上装置は、自列車位置をもとに、地上インタロゲータ装置との結合時期を予測し、受信の監視を行う。このとき、絶対位置の受信が得られないときは、故障と判定する。
2]送信部の診断
列車検知を行う地上インタロゲータ装置は、列車通過時に列車の前後に設置された車上レスポンダ装置から列車番号を受信する。このとき、どちらか一方の受信が得られず、さらに、その後(列車通過後)に地上照査装置からの受信が得られた場合、受信が得られなかった車上レスポンダ装置の故障と判定する。故障判定後は、保安伝送装置を介して車上装置に故障通達を行う。
(2) 車上装置
地上インタロゲータ装置から受信(絶対位置)が得られないときは、以下のように対応する。