(3)静電気放電イミュニティ(IEC60945-10.9)
(準拠規格IEC61000-4-2)
本試験は、作業者から静電気が放電する場合の影響をシミュレートするものであり、人造繊維製カーペットまたはビニール製衣類等との接触のように作業者が帯電する環境において発生すると思われる。
本試験は、150pFのエネルギー蓄積容量と放電用電極に接続した330オームの放電抵抗を持つ静電気放電(ESD)発生器を使用し、IEC61000-4-2に基づいて実施する。
EUTは、すべての側面においてEUTよりも少なくとも0.5mの幅だけ大きい金属製接地面に置かれるが、EUTと金属接地面は絶縁される。
静電気放電(ESD)発生器からの放電は、通常の使用状態で作業者がアクセスできるEUTの個所または表面に対してのみ印加する。静電気放電(ESD)発生器は、表面に対して直角に支持され、放電点は、放電繰返し率が20回/秒の放電による調査によって選定するものとする。
各位置ともに、それぞれの放電と放電の間隔を少なくとも1秒間とって、EUTの誤動作が観察できる間を持たせることとし、正負で10回の放電を行なって試験する。
接触放電の方がより好ましい方法であるが、気中放電は、例えば、塗装面のように製造者によって絶縁するものと申告されているような場合、接触放電が適用できない場所で使用される。
EUTの近辺に設置されている物体への放電は、水平結合板(HCP)に対してEUTの各側面上及びEUTから0.lmのところにある結合板へ、正負で少なくとも10回の単一放電を印加することによリシミュレートする。さらに、垂直結合板(VCP)の垂直部のエッジ中央部に対し少なくとも10回の放電を行なう。寸法が0.5m×0.5mの垂直結合板は、EUTから0.1mのところにEUTに平行に配置する。
放電は、EUTの有する4面が完全に照射されるように異なった位置で結合板に印加する。
EUTの性能は、表4の試験レベルが3の接触放電6 kV及び気中放電8 kVの時、9.1の性能基準のとおりとする。