(2) コーミング及びブッシング
非防水の甲板や隔壁にケーブルを貫通させる場合は、ケーブルの損傷防止のためコーミング(「電線貫通管」ともいう)やブッシングを使用する。コーミングは、レーダー表示器など大型の鋼製構造物にケーブルを導入する場合にも使用される。
コーミングの大きさは、貫通するケーブルの太さや本数によって異なるが、防湿、防火についても考慮しておく。
ブッシングは、ケーブルの損傷防止のために使用されるので、電線を貫通させる隔壁又は鋼製構造物が十分な厚み(≧6mm)を持っている場合には孔の両端に丸みを持たせればブッシンングと同等とみなされる(NK鋼船規則H編 2.9.15)ので、ブッシングの取付けが省略できる。
コーミング、ブッシングの取付けに当たっての注意事項は、次のとおりである。
(a) コーミングは、原則として、両端を等分にして取り付ける。甲板貫通のときは、コーミング部をデッキコーミングより高くする。コーミングの径が大きすぎると、防湿などのためのコンパウンドを詰めることができなくなるので、注意する。
(b) コーミング部での機器への導入ケーブルの接地は、アースクランプによるか、あじろがい装を束ねて接地する。
(C) ブッシングの内面及び両端は、ケーブルに損傷を与えないように仕上げる。
コーミング、ブッシングの形状、寸法の一例を<図 2-4-2>に、それらの取付方法の一例を<図 2-4-3>に示す。