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IEC 61162-1の規格は、1つの送信機器(トーカ:talker)と通信回線ごとに複数の受信機器(リスナ:listener)を持つ調歩同期伝送について規定している。プロトコルは次のとおり。

・伝送速度:4,800 bps

・データビット:8ビット(d7=0)

・パリティ:なし

・ストップビット:1ビット

送信フォーマットは、ASCII文字の“$”(24H)で始まり<CR>(ODH)、<LF>(OAH)で終了する。

次に代表的な例をあげて説明する。

『$GPVTG,256.7,T,,M,12.5,N,,K*87<CR><LF>』

ここで$:文の最初を表す記号

GP:トーカのID(識別ラベル)で送信している機器を表している記号で予め定められている。

VTG:センテンスフォーマッタと呼ばれ、次に続くデータの順序を予め規定している。

256.7:針路の方位を表す。

T:(左の数字で表された)方位が真(True:ジャイロ)方位であることを示す。

,,:(磁気コンパスの)方位は入力されていないことを示す。

M:(左の数字で表された)マグネットコンパス(M)の方位を示す。

12.5:(ノットで表された)対地船速を示す。

N:(左の数字の対地船速が)ノットであることを示す。

,,:km/hで表された対地船速は、入力されていないことを示す。

K:(左の数字の)対地船速がkm/hであることを示す。

*:後に続く2文字がチェックサムフィールド(転送誤りの検出に用いる数字で、伝送したそれぞれの有効データ文字(“$”と“*”との間の文字)の8ビットバイナリデータビットをXORによって計算した数字)であることを示している。ただし、このチェックサムフィールドは、付けても付けなくてもよい。

,:フィールドの識別記号で、“,”と“,”の間は可変長である。ただし、データがない場合には、“,”と“,”の間にスペースを使用してはならない(“,,”とする)。

<CR><LF>:文の終了を表す。$から<CR><LF>までの文字数は、最大79文字と規定されている。

IEC 61162-1の電気的仕様は、平衡型のRS-422を採用し比較的長距離(最大ケーブル長1.2km)の伝送を保証している。

 

 

 

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