8.2 機能と統合
近代化船の船橋での当直作業は、航路監視・計画、通信、機関管理、船体・積荷一般事務管理に大別できるが、これらの業務の中で緊急対応性が必要とされるのは、衝突予防と座礁予防である。
従来、単独で機能していた各種の航海機器は、人の介在によって最終判断を行う補助装置であったが、人の介在によって、誤った判断を誘発する要素を持っていた。そこで、機能を統合化することによって、安全運航のための援助システムを構築することが試みられ実用化の段階になってきている。
航海機器の機能の統合化を図った「統合航海システム(INS:Integrated Navigation System)」と、主機の監視、制御まで統合した「統合ブリッジシステム(IBS:Integrated Bridge Sys-tem)」とがある。
IMOの NAV 43/7/2 に図示されているIBSとINSの機能的関連図を<図 8.2.1>に示す。