第5章 その他の無線装置等
陸から遠く離れた海上を航行する船舶には、レーダーやGMDSS設備のほかに様々な無線装置が搭載されている。
航行の安全を確保するため気象などの情報の入手は不可欠で、短波帯を利用した気象ファックス、衛星を利用する「ひまわり」や「ノア」が使用されている。
船内作業、離着岸や荷役の作業の連絡には、船上通信装置が利用されている。
このほか、乗組員の娯楽用として衛星放送受信装置が搭載されている。
5.1 気象ファックス
気象ファックスは地上の無線局(海岸局)から放送される気象情報を写真、図面、文字などの画像として船舶で受信するシステムである。放送される画像の原稿は、まず光電管などの走査によって多数の画素に分解され、次いで個々の画素が示す濃度に対応した電気信号に変換され、放送スケジュールに従って無線送信機に変調がかけられ放送される(<図 5.1.1>参照)。