第4章 GMDSS設備
IMOでGMDSSの検討を開始してより約10年の審議を経て、1988年11月に、SOLAS条約を改正して新しい世界的海上遭難安全システムを採用するための国際会議が開催された。この結果、GMDSSは1999年2月1日から完全実施されることになった。
GMDSSは次の5つの機能を柱として考えられたが、その機能とは、(1) 迅速な自動的遭難通報、(2) 確実な生存艇への接近、(3) 現場通信の確保、(4) 能率的な捜索救助協力通信、そして遭難を未然に防ぐための (5) 海上安全情報放送の確実な受信である。
<表 4.0.1>は各GMDSS設備が、主としてどの機能を果たすべく考えられたか示している。参考のためGMDSSの基本概念図を<図 4.0.1>に示す。
船舶の遭難時に、これらのGMDSS設備を使用して救助を求める場合、その船の船長(又は船長の職務を代行する人)がとるべき運用指針をIMOが<図 4.0.2>のように示している。