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まえがき

 

近年、電気・無線・電子技術の急速な進歩により、船舶の近代化はもとより海難防止などを目的としたシステムに衛星通信技術、デジタル処理技術等の最先端技術が従来にもまして採用されるようになってきた。これら技術を取り入れた電子機器としては、平成11年1月31日に導入が完了したGMDSS(全世界的な海上遭難安全システム)設備、及びGPS受信機や自動針路保持装置(オートパイロット)等の航海用機器をはじめ、電子海図装置や統合ブリッジシステムのような綜合的航法装置があり、これら各種の弱電設備等の船舶への設置は増加の傾向にある。また、先端技術は在来設備にも導入されて、より高度化、複雑化しつつあり、その性能確保は、船舶の安全運航上きわめて重要な課題となって、弱電関係の艤装設計と工事に対する重要性は更に高まってきている。

このような状況から、船舶に装備される航海用機器、無線通信装置、監視警報装置等いわゆる船舶電子機器について、その性能を最高に発揮させるために必要な艤装設計要領並びに合理的、かつ、信頼性の高い艤装工事に必要な工事要領を検討し、併せて関係法令・規格等を体系的に整理して、弱電艤装設計者・工事従事者の座右の書となるようなハンドブックを作成するため、(社)日本船舶電装協会に「弱電ハンドブック作成委員会」を設置して、平成9年度から2か年計画で調査・検討を行なった。

ここにその成果として「船舶電子機器装備工事ハンドブック」を得た。その刊行にあたって、執筆や編集に携わった各委員の方々のご努力、運輸省や海上保安庁等関係各位のご援助、そして文献の収集、編集、発行にあたられた日本船舶電装協会の方々のご尽力に対して、心から敬意を表するとともに深甚の感謝を捧げるものである。

このハンドブックが諸賢の参考の一助となり、斯界に貢献し得たならば幸いである。

平成11年3月

弱電ハンドブック作成委員会

委員長 庄司 和民

 

 

 

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