日本財団 図書館


圧着端子は電気銅に電気錫めっきを皮膜したもので、その形状から丸形と先がU字形をした先開形とがあり、また、種類として絶縁筒付と裸(JIS C2805)のものがある。図4・12に使用例を示す。

(c) チューブ

裸圧着端子を使用した場合の金属部の絶縁等に使用するものとして、絶縁用ビニルチューブ(JIS C2410)や熱収縮性塩化ビニルチューブ(ヒシチューブ等)がある。

(d) テープ

ケーブルなどの接続部の絶縁その他一般の電気絶縁に用いるものとして、電気絶縁用ビニル粘着テープ(JIS C2336)がある。

 

4・1・2 ケーブル

船内の電気設備の配線に使用するケーブルは特殊用途のものを除いて、各船級協会の規則又は国内船舶関係法規に基づいて製造されたものを使用しなければならないが、主要な船級協会の承認を得ているJIS C3410(船用電線)のものを使用すれば問題ない。なお、JIS C3410に規定されていない船用ケーブルについては、JISと同様な趣旨に基づいて制定されたJCS規格 (日本電線工業会標準規格)に規定される船用ケーブルを使用する。

・JCS390  耐延焼性船用電線

・JCS283A 660V船用けい素ゴム絶縁あじろがい装ケーブル

・JCS312 3.6/6KVA、6/10KVA 船用エチレンプロピレンゴム絶縁ビニルシースあじろがい装ケーブル

・JCS316B  無機絶縁ケーブル

・JCS338A  150V船用多心ビニル絶縁ビニルシースあじろがい装ケーブル

本章では、主にGMDSS関連機器等に使用される船用ケーブル及び特殊ケーブルの種類、構造、性能並びにその適用の概要について述べるものとし、その名称、構成、寸法などの詳細はそれぞれの規格に規定されるいるのでそれを参照されたい。

また、ケーブルの選定にあたっては、機器メーカーの総合結線図などにその機器に適したケーブル種類が記載されているので、それに従うこと。

(1) 一般ケーブル(JIS C3410船用電線)

船用ケーブルの構造の特徴は、布設時に船内を引きずり回したり、溶接あるいは衝撃物などによる外傷の危険が多いので、全面的に鋼線又は銅合金線によるあじろがい装が施してある。一般によく使用するケーブルの構造例を図4・13に示す。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION