無線システムの電源回路などで、ケーブルの導体抵抗による電圧降下を算出するには、以下の計算式による。特に、直流24Vの予備電源回路(蓄電池回路)などにおいては、ケーブルによる電圧降下が大きく影響するので注意が必要である。
電圧降下の計算にあたっては、無線機器メーカーに関連する機器の最大消費電流を確認し、布設される電源回路用電線の長さを計測した上で電圧降下計算を行い、それが定格電圧の5%以下となるように電線の断面積を決める。
(イ) 導体の抵抗
導体の抵抗値R20〔Ω/m〕=抵抗率〔Ωmm2/m〕/導体断面積(mm2)
R20:20℃での電線1mあたりの導体抵抗値
(参考) 軟銅線の20℃における抵抗率=1.724×10-2〔Ωmm2/m〕
銅線の20℃における抵抗率=1.777×10-2〔Ωmm2/m〕
(ロ) 導体抵抗率の温度補正
導体の抵抗は温度により変化する。銅線の場合は、t(℃)の抵抗値
Rt(Ω/m)が分かっていてT(℃)の導体抵抗値RT を求めるには、次の式による。
RT =Rt ×{1+(T-t)/(234.5 +t)}
RT :T(℃)における導体抵抗値
Rt :t(℃)における導体抵抗値
20℃の導体抵抗値が分かっていて、45℃の導体抵抗値を計算する場合は次のようになる。
R45=R20×{1+(45-20)/(234.5+20)}
(参考) JISC3410船用電線の付表の中に20℃の導体抵抗値R20〔Ω/km〕が記載されているので、これを利用すると便利である。
(ハ) 直流2線式の電圧降下
直流2線式の電圧降下は次の式で計算を行う。
e=2×RT×l×I
e :電圧降下量(V)
RT :T(℃)における導体抵抗値
l :ケーブルの長さ
I :機器の定格電流