第3章 艤装設計
3・1 一般的事項
GMDSSの装備工事にあたっては、船舶安全法、同関連規則及び電波法並びに同関連規則に、また、輸出船については当該国の関連法令等に適合するよう考慮しなければならない。
なお、船級協会規則では無線関係についての特別な規定はなく、ケーブル等の一般的要求以外は上記の規則に従えばよい。
GMDSSは1992年2月1日から段階的に導入され、新造船と既存船とでは適用の条件が異なるが、ここではこれから新造される船舶のGMDSSの艤装設計を中心に記載する。
GMDSSの艤装設計及び工事については、発注者(船主又は造船所)及び無線機器メーカーと十分な打ち合わせを行い、特に各機器メーカーの装備基準を十分理解して性能を十分満足する様に配慮しなければならない。
艤装設計の内容には通常次のものが含まれるが、船舶の種類や航行水域また、発注者の意向などにより相違する場合がある。
1] 無線通信システムの基本計画、機材の選定、調達
2] 無線区画の配置
3] 機器の配置
4] 空中線の配置
5] 電路設計
6] 承認図及び工事図の作成
7] 運輸省及び郵政省の検査を受けるための書類作成
(1) 用語の意味
本章は随所に略称等を用いているので、その用語の意味を以下に示す。
DSC……デジタル選択呼出装置
DSC聴守装置……デジタル選択呼出聴守装置
EGC……高機能グループ呼出受信機
EPIRB……極軌道衛星利用非常用位置指示無線標識装置
警急信号発生装置……無線電話遭難周波数で送信及び受信するための設備
レーダー……航海用レーダー
一般通信用無線電信等……HF直接印刷電信、HF無線電話、インマルサット直接印刷電信又は沿岸船舶電話(NTT)、27MHz漁船用無線電話、マリネット等常に直接陸上との間で船舶の運航に関する連絡を行うことができる無線電信等