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6・6・6 スロット空中線(Slot Antenna)

図6・23(a)に示すように金属板に細長い穴(Slot又はSlit)を切り、それより電波を放射させるようにしたものをスロット空中線という。とくに、長さがλ/2に近くなると、半波長空中線と同様に、効率よく強い電波が放射される。これは図6・23(b)に示すように、そのスロットの中央に給電をしたのと同じ効果を持つが、スロットの場合は電圧給電となって、ダイポール空中線の場合とは逆に、中央部分が電流ゼロで電圧は最大、端部は電流が最大で電圧はゼロになる。

上記の単一スロットをいくつも配列することにより、必要な指向性ビームを得るようにした空中線をスロットアレイ空中線(Slot Array Antenna)といい、お馴染みの船舶レーダに使用されている。

 

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図6・23 導波管形のスロット空中線

 

6・6・7 マイクロストリップ空中線

図6・24に示すように、地板(アース板)と呼ばれる導体板の上に1ミリぐらいの薄い絶縁板があり、その上に導体の帯(ストリップ)がある構造で、地板とこの帯が2本の給電線になっている。この帯は印刷で作られ、微細(マイクロ)な形の線路が作られるためマイクロストリップ空中線といわれる。ストリップの長さが半波長のときに共振して大きな電流がながれ、半波長ダイポール空中線と同等である。

この空中線は、軽量で小型な最新の空中線とし使用されるようになり、GPS等に使用されている。図6・25は、保護カバーを付けた一例を示す。実際には衛星からの弱い電波を受信するため、図に示すものを何個も配列してアレイ空中線とし、利得を上げるようにしている。

 

 

 

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