ピンのハンダ付けの順序は必ずグランドピン、電源ピンの順序とし、信号ピンは、最後に行なうようにし、10秒以内でハンダ付けを終えるようにする。
4] 組立を終わったプリント板はICの入力端子がオープンにならないように、基板の全端子をショートするか、基板全体をアルミホイールで包むこと。
5] 入力端子の処理
CMOSの場合、入力インピーダンスが高いので、入力をオープンのままにしておくと、スパイクノイズ、誘導ノイズ、静電気などの影響で許容範囲以上の電圧が加わるおそれがあるため使用しない端子は、論理に合わせてVDDかVSSに必ず接続すること。また、一つのパッケージ内の未使用ゲートの入力端子も必ずVDDかVSSに接続すること。
以上のようにTTLに比べてCMOSは、静電気に対する対策が重要である。
4・5 メモリIC
メモリ、すなわち記憶回路にはいろいろな種類がある。代表的なアナログ型のメモリは磁気テープやレコーダであるが、ここでは電子計算機や卓上計算機などに使用されているディジタルメモリを取り上げる。(GMDSSが採用されるようになって通信分野にもディジタル通信が発達し、ディジタルメモリはなくてはならないものになってきている。)
ディジタルメモリにもいろいろな種類があり、磁性体の磁化現象を利用したコアメモリ、ワイヤメモリ、磁気テープ、磁気ディスク、信号の伝搬遅延を利用した遅延線メモリなどがその例で、従来から多く利用されている。
半導体メモリは、半導体素子のスイッチング回路を利用したものであるが、さらに、このような素子回路を高密度に集積できるようになるに伴って、小型で安価な大容量メモリが次第に実用化されるようになってきた。これがメモリICである。なお、メモリには、メモリセルを構成する素子によって、バイポーラメモリとMOSとメモリに分類することができる。さらに、その機能によって、次の表4・6のように分類することができる。