日本財団 図書館


123-1.gif

図4・16 CMOSインバータの縦続接続

 

VXが0からVDDになるとTrNlがONに、VYは0になる。このときCLに蓄積されていた電荷はTrNlを通して放電する。再びVXがVDDから0になるとTrPlがONになりCLが充電される。

定常状態では出力が“1”のとき、電源VDDはTrPlを通してTrNlの漏れ電流と、次段のインバータのゲートの漏れ電流を供給する。この漏れ電流はきわめて少ないので、定常状態におけるCMOSの消費電力は非常に少ない。以上のことからCMOSは、入力信号や出力信号の立ち上がりや立ち下がりの過渡状態のときはCLの充放電電流によって電力を消費するが、定常状態ではほとんど電力を消費しない。

すなわち、クロック周波数が高くなると、過渡状態が占める時間的割合が増すので消費電力も大きくなる。クロック周波数が数MHzになると消費電力はTTLと同程度か、またはそれ以上になる。

(3) CMOSのファミリ

CMOSのファミリは、RCA社のCD4000シリーズ、モトローラ社のMC14000シリーズ、NSC(National Semiconductor Corp.)社のTTLピンコンパチブルなMM54のMC14500シリーズと、各社のオリジナル製品とに大別することができる。

世界の半導体メーカはRCAタイプ、モトローラタイプ、NSCタイプのセカンドソースとして、共通番号4000,4500,74C00シリーズを開発し、品種も増えてTTLに近ずきつつある。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION