3・7 論理回路の例
3・7・1 カウンタ(デバイダ)回路
カウンタはデジタル回路のうち最もよく使われるものの一つである。これはパルスの数を数える機能と、高い周波数を正確に分周する機能とをもっている。
T-FFは1個でクロックパルスを1/2に分周することができる。このT-FFをいくつかつなぐと図3・49(a)のようになる。クロックのタイミングの時間を区切ってみると図3・49(b)の真理値表になる。この表から3個のFFの出力を3けたの2進数と考えたとき、その値は加わったパルスの数と一致する。
一般にn個のFFをつなげば、入力クロックの数を0から2n-1個まで数えることができる。このようにクロックの数をかぞえるものをカウンタ(COUNTER)という。また2n番目のクロックで最終出力が1周期のパルスを得られるので2nの分周ができる。このためカウンタを分周器(デバイダ:D-IVIDER)ということもある。例えば3段のT-FFのカウンタに10MHzのクロックが入ると出力には1.25MHzのパルスを得ることができる。
図3・49ではクロックが入ると各FFの出力の2進数が一つづつ増える。このようにカウントが上がっていく形のカウンタをアップカウンタという。
逆にクロックが入るとカウントが下がる形のカウンタをダウンカウンタという。ダウンカウンタの例を図3・50に示す。
同一のカウンタでアップカウンタとダウンカウンタを切り変えて使えるカウンタをアップダウンカウンタという。