日本財団 図書館


図3・3において(a)のベース・バイアス電流IBのない場合、図の(a)のような入力信号電圧viが加えられたとすると、 ベース電流iBはviがVBEのカットオフ電圧より大きくなったときだけ流れ、コレクタ電流iCもiBが流れてはじめて流れるので、それぞれ同図aの(b),(c)のようになる。

コレクタ電圧VCは、iCが流れていないときはRLによる電圧降下がないので、電源電圧VCCに保たれている。viがVBEのカットオフ電圧を超えてiCが流れると、VCはVCCよりRL×iCだけ減少し、同図(a)の(d)のようになる。一方、出力電圧vOはコンデンサCCを通して、直流分をカットしているので、結局同図(a)の(e)のようになる。vOはviがVBEのカットオフ以下では欠けてしまい、増幅器としては不完全なものである。一方、適当なバイアス電流IBが流れているときは、図3・3(b)のようにviが変化しても常にiB,iCは流れ、正常な増幅が行われることになる。

ここで特に注意すべきことは、図3・3からわかるように、入力電圧の(+)が出力電圧の(-)側に、(-)が(+)側に出てくるということである。入力波形が図のような正弦波であれば、出力の位相は入力の位相に対して180°ずれて逆位相になる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION