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第3章 電子回路

 

トランジスタなどの半導体素子を用いた基本的な回路をいくつかあげ、それらの動作原理とその応用例について概説する。

 

3・1 増幅回路

図3・1のように、ある回路にある振幅の入力信号が加えられ、出力としてその振幅、あるいは電力の増加した信号が得られるとき、その入力信号は増幅されたといい、その回路を増幅回路という。

 

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図3・1 増幅の概念図

 

増幅回路は小信号を使いやすい適当な大きさの信号にするために、ほとんどすべての電子機器に使用されている。例えば受信機では、微弱な受信電波の通信内容を音として聞くためには、幾つもの増幅回路を通して増幅し、スピーカーを働かしている。

なお、増幅回路では、入力信号がそのまま成長して大きな出力信号になっているのではなく、電源から供給されるエネルギを入力信号で制御して、大きな出力信号に変えているのである。

 

3・1・1 エミッタ接地トランジスタ増幅回路の動作原理

トランジスタ回路は接地方式によりベース接地、エミッタ接地、コレクタ接地の3つの方式がある。それぞれの回路方式の特長は、ベース接地回路では入力インピーダンスが非常に低く、出力インピーダンスが非常に高いので実用上やや不便であまり使われないが、動作周波数範囲が広いので高周波用等特別な場合に使用される。コレクタ接地回路はエミッタフォロアとも云い、入力インピーダンスが非常に高く、出力インピーダンスが非常に低いので、バッファ増幅器としてよく使用される。

 

 

 

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