日本財団 図書館


5・4・4 第四段階:表示

以上の事柄は、すべて最終的には表示をして操船者に知らせなければならない。この表示には、ブラウン管を用いる方法や数字表示管による方法等多種多様な方法があり、また、その表示の内容にもいろいろなものがある。主表示であるレーダー画面での表示では、物標の速度をベクトルで表すのが最も一般的である。また、図形によって他船の動向を表示するシステムもある。そのほかには、サブCRTやLEDを用いて数値のデーターで表示するものがあり、いずれにも各種の警報機能が付属している。

 

5・5 ARPAのシステム構成

ARPAをシステム構成の面からみると、レーダー表示器とARPAの表示器とを兼用した一体形(Integrated Type)と、レーダーシステムとは独立した別体形(Separated Type)とした二つのシステムに分類できる。

5・5・1 一体形(Integrated Type)

前述のように、一体形とは、図5・10のようにレーダー表示器とARPA表示器とを兼用したものである。つまり、完全な航海用レーダーとしての機能の上にARPAの機能が付加されたもので、一つのシステムで両方の機能を持つものである。ARPAが出初めた初期のころは、一体形は一部のメーカーしか生産していなかったが、最近では国の内外を問わず一体形の機種の方が増加している。

この一体形の特長は、第一に設備コストが安く、またスペースも小さくて済むということである。また、取扱いも別体形に比べると、レーダーの操作がそのままARPAの操作につながって、操作性でも優れているといえる。このようなことから、新造船には一体形の装備が増加してきている。また、商船では一体形システムと、二台目のレーダーとをインタースイッチングするシステムが主流となってきている。

 

093-1.gif

図5・10 一体形の基本構成

 

5・5・2 別体形(Separated Type)

別体形とは、図5・11のようにレーダーから信号をもらい、専用の表示器にARPA情報を表示するものである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION