5・1 プロッティングと相対速度
航行中の船舶や障害物との衝突を防ぐためには、予測と回避の二面を考えなければならない。そのためにはレーダーの情報を解析して種々の必要なデーターを得なければならないが、レーダーそのものは目標の相対的な位置(方位と距離)を測定する機能しか持っていない。
すなわち、自船に搭載されているレーダーによる目標の測定は、あくまでも目標の相対位置がどのように変化しているかを測定することであり、これをレーダーの画面上でプロットしても、(図5・1のt0〜t3)それは目標の相対運動が分かるだけであって、真運動を現してはいない。この真運動の速度は、相手船の相対速度と自船の速度とのベクトルの和として得られる。これらの、目標の相対速度と真速度は、衝突の予防のためには非常に重要な要素である。
5・2 レーダーの映像の表示方法による分類
5・1で述べたように衝突の予防のためには、レーダーの情報を解析してプロットしていく必要があるが、このレーダー切映像の表示方法には、次のような種々の方式がある。