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ビデオ増幅器の出力はAD変換器に入れられる。ADとはアナログ・ディジタルの略で、アナログ信号をディジタル信号化する回路である。例えば、ある設定されたレベル以上の受信信号であれば1、それ以下の受信信号であれば0というようにするのがディジタル信号化であって、この場合は1ビットでのディジタル化になる。このディジタル化をするときに受信信号の強度を4段階に分け、強い方から11、10、01、00とするのが2ビットのディジタル化で、さらに3ビットにすれば、111、110、101、100、011、010、001、000と8段階の強度の表現ができる。

このような処理をした信号は一次メモリに送られるが、この一次メモリには、シフトレジスターと呼ばれるメモリの一種が使われる。シフトレジスターというのは図3・52に示すようにメモリが横一列に並んでいて、クロック信号というところにパルスがーつ入ると、nのところの内容がn-1のところにというように、右向きにその内容(1又は0)が一枠ずつ移動して、入力からnの枠に新しいデーターが一つ入るとともに、1の内容は出力となって出て行くわけである。例えば、クロックパルスの周波数を10MHzとすると、クロックパルスの間隔は0.1μsなので、エコーは自船から15m間隔で、かつ、0と1の形で右から左へ並ぶことになる。2ビットのディジタル化をしたときには、このシフトレジスターを2個並列に使用して、1けた目と2けた目の0と1を別々に処理をする。こうして、1回のパルス送信後の受信エコーの強さは、2ビットのディジタル化の場合は図3・53に示すような形に整理をされる。ここで、S11、S12…S1n、S21、S22…S2nはアドレス番地と呼ばれる。

 

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図3・52 nビットのシフトレジスター

 

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図3・53 エコー信号のディジタル化

 

 

 

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