(2) 雨雪反射
雨の降っている区域は、雨が弱いときはボーッと雲のように見え、雨が強くなると、はっきりとした島のような映像ができる。しかし、これらの雨の映像はよく見ているとその場所が移ってくるし、形状も変化するので大体判別することができる。ただ、この雨域を通り抜けた電波は弱くなり、普通だったら映像として表れる船等の映像が現れなくなることもあるので注意が必要である。
雪の場合は一般に雨よりもその影響が弱いが、自船の周囲に反射を現し、他船の影像を隠し、また、電波を弱める効果がある。
(3) 潮目
潮目は波立ちの状態が違っていたり、浮遊物が集っていたりして、海岸線のような紛らわしい映像を現すことがある。
(4) 砂じん
ペルシャ湾を航行する船からの報告によれば、砂じんも陸地や島と間違うような映像となることがあるということである。
(5) 送電線
海峡を横断して張られている送電線は、その海峡を通航する船舶にとって非常に都合の悪い映像を表すものである。図2・7のように送電線は船からの垂線の足にあたる点だけが反射が強く、そこだけが輝点となって現れる。したがって、船がその送電線に近づくにつれて、岸から出てくる小舟がちょうど船にぶつかるように水路の真中を横切って近づいてくるように見えるからである。送電線が船の航路に対して斜めになっているときには、この現象に注意する必要がある。