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これを二つの物標として判別するためにはビーム幅がさらに狭いことが必要となってくる。このように、方位の上で近接している二つの物標を二つのものとして分解して判別しうる能力は、空中線の水平方向のビーム幅、すなわち、空中線の水平指向特性によって定まる。

また、方位分解能には輝点の大きさとレンジとの関係も影響するし、その物標の距離や感度調整の仕方も影響する。

 

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図2・4 ビーム幅と方位分解能

 

2・5 距離及び方位精度

レーダーは、物標の映像をスコープ上に現して、これによって物標までの距離と方位を判定する。したがって、レーダーの誤差(あるいは精度)は、距離と方位の二つの要素について考える必要がある。

2・5・1 距離誤差

(1) 距離目盛による誤差

スコープ上の映像の距離を計るには、固定距離目盛と可変距離目盛とによるが、これらにはブラウン管における掃引波形の直線性等の回路動作上の誤差や、使用者の目測による人為的な誤差が含まれる。

(2) パルス幅とブラウン管の輝点の大きさによる誤差

ブラウン管に現れる物標の映像は、パルス幅に相当する距離と、輝点の大きさに相当する距離の和だけ長く現れる。しかも輝点の大きさは、使用する距離範囲によって、その占める該当距離が異なり、反射物標の反射能力によっても異なる。

2・5・2 方位誤差

(1) 映像拡大効果による誤差

レーダーの水平ビーム幅は通常1度〜2度程度にとってあるので、物標がこのビーム幅の中にある間は、反射波が受信される。

 

 

 

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