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第4章

 

(問1)故障箇所を発見するには、まず、機能の全体的な面から問題点をとらえ、次に回路系統に区分し、最後に細部に及ぶように系列的に調査する必要がある。故障に至った派生的な、あるいは二次的な原因のみに対処しても、一次的な原因(本当の原因)を取り除くことはできない。

修理工事は、このような手順によって原因を究明してから行なわなければならないが、まず、作業に入る前に手持ちの部品等からその修理の可否を判断し、もし、高価な部品やユニットを交換する場合には、船主や造船所の承認を得る必要がある。

 

(問2)

(1) 二次反射による偽像は、マストやデリック、煙突等が鏡となって電波を反射するために起こる障害である。したがって、これらの偽像は、そのマストや煙突のある方向に現れる。

(2) 陰は、空中線の近くにある煙突等がレーダーの放射ビームを遮るために起こる現象で、そのマストや煙突のある方向に現れる。陰の有無を調べるには、海面反射や雨雪反射等の一面の広がりを持った映像を見て、その像に薄い部分か、あるいは見えない部分があるかどうかによって判断する。このような陰は、船が旋回しても常に一定の方向に現れるので判断できる。

(3) 同一の周波数帯を使用する他のレーダーが近くにあると、相互干渉によって映像面に多数の斑点が現れることがある。この斑点はいろいろな現れ方をして、同じ位置に現れることはないので、一般の物標の映像と判断することができる。

 

(問3)ベクトルを表示させた状態でレンジスケールを変化させ、そのとき各ベクトルが消滅せず、かつ、各ベクトルの長さも距離レンジに応じて正しく変化し、この状態がスイープの1走査以内に完全に行われなければならない。

 

 

 

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