日本財団 図書館


ここで、Siは受信機の平均入力信号電力、Niは同じく平均入力雑音電力、Soは平均出力信号電力、Noは平均出力雑音電力である。受信機の中間周波(IF)段での周波数帯域幅をB〔Hz〕とすると、受信機の平均入力雑音電力Ni は、

 

Ni =KT0B〔W〕   (9・15)

 

となる。ここで、Kはボルツマンの定数で K=1.38×10-23joule/secToは絶対温度で常温はT0=290 〔K〕である。(9・14)式に(9・15)式を入れると、平均入力信号電力Siは次式になる。

 

Si=KT0B(NF)(So/No)   (9・16)

 

ここで、受信機の出力で、信号を表示可能とする(So/No)の最小値を(So/No)minとしたときのSiは先のPrminと等しくなるから、

 

Prmin=KT0B(NF)(So/No)min    (9・17)

 

したがって、最大探知距離の式(9・13)は、

 

227-1.gif

 

となる。

 

9・8・2 海面反射のあるときのレーダー方程式

前節の(9・11) 式で示したように、海面上をマイクロ波が伝わるときには、海面からの反射波の干渉で受信電波の電力が直接波の0〜4倍に変化をする。

その変化の様子は、(9・11)式の2πhaht/(Rλ)がπ/2(=90°) ,3π/2(= 270°),5π/2(= 450°)……となるところで最大に、また、 2π/2,4π/2……となるところで最小になる。このことは、図9・15に示すように空中線のある地表面を原点に、いくつかの電波のビームが合成されたのと同じ効果を持ち、地表面と最も低いビームとの角はλ/(4ha)、そして各ビームの間の角はλ/(2haa)である。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION