ダイポールその他の空中線素子を、送受信電波の波長を考慮して並べ、その位相合成によって、ある方向に指向性を持たせた空中戦とすることができるが、一般にこれをアレイ空中戦と呼んでいる。
最近の航海用レーダーでは、パラボラ空中線に代わって、導波管の管壁に多くのスロットを切ることによって、アレイ空中線としたものが使用されている。これは、このようなスロット空中線であればパラボラ空中線に比べて横方向の寸法は変わらないが、(空中線は横方向に長いほど、水平方向の指向性は鋭くなり、その長さと水平ビーム幅との関係は、パラボラ空中線でもスロット空線でもほとんど同じである)上下方向は、はるかに小さく軽量にでき、中空中線の回転に必要な動力や、回転に伴う風圧などを小さくできるからである。
このようなレーダー用空中線のスロットは図8・19(a)に示すように切られ、実際の構造は同図(b)のように横方向から給電され、開口の上下にはラッパ状の導板が付けてある。