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(5) フォトダイオード

適当な不純物濃度のPN接合ダイオードに逆バイパスを加えて、接合部(空乏層になっている。)に光を当てると自由電子とホールを生じ、それぞれがそのダイオードに掛けられた電圧に引かれて移動し、電流が流れる効果を利用したものである。ダイオード上面の透明なガラス窓を通して光を受け、光量に比例した電流を流す。光検知器などに用いられる。

(6) 発光ダイオード

Light Emitting Diode の頭文字を取ってLEDと呼ばれる。適当な不純物濃度のPN接合ダイオードに順方向電流を流すと、一度生じた自由電子とホールが再び結合するときに、緑色、又は赤色の光を発する。スイッチのON・OFF表示や、また、計測器などのディジタル表示に用いられる。

(7) バリスタ

電圧によって抵抗値の変化するダイオードで、各種の金属酸化物の粉末を成形して作ることもあるが、pn接合の非直線性を用いることもある。二つのpn接合ダイオードを逆の極性で並列に接合すると、正と負のどちらの電圧にも順方向の特性となり、低電圧では高抵抗、電圧が高くなると(シリコンでは約 0.7V以上)低抵抗となるバリスターを構成することができる。

(8) サーミスタ*

この章の初めに、半導体は温度が上がると抵抗値が減少すると述べたが、サーミスタはこの性質を利用したもので、周囲温度の変化によって半導体を用いた回路の特性が変動するのを防ぐために用いられる。図4・13(a)に回路図上の記号を、図4・13(b)に特性を示す。

 

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図4・13 サーミスタダイオード

 

注* 構造、特性、動作原理ともダイオードとは異なるが、半導体回路によく使われる半導体なので、二端子素子としてこの項に加えた。なお、ダイオードの回路図上の記号は種類が違っても特に区別しない場合が多い。記号に付された名称で規格表を調べる必要がある。

 

 

 

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