導波管の場合も同様で、その長さを1/2波長またはその整数倍で短絡をすると共振回路となる。このような同軸線路や導波管の一部分を使った回路は、全体的に閉じられているので、電波が外に放射されることもなく、また、内壁などに導電率の高い金メッキなどをほどこして抵抗損失を防ぐことができるので効率のよい(Qの高い)共振回路を構成することができる。
導波管の一部で構成されるような共振器は円形の導波管を使用することもできるし、またその内部の形をいろいろに変えたものとすることもでき、これらはすべて空胴共振器と呼ばれる。図3・15にその例を示すが、(a)はドーナッツ形の内の輪をつないだもの、(b)は円形の導波管の上部を同軸形にしたものである。(b)図のように内部の突起を上下できる金属棒で構成しておくと、その上下によって底面との間にキャパシタンスが変化するので、一義的には、その内のり寸法できまる空胴の共振周波数を、ある程度変更することができるようになる。空胴共振器は、導波管と同様、その内部の電磁界の励振の仕方によって、いろいろなモードが考えられる場合もある。この場合も、その振動モードによって共振周波数は変化をする。