送信電力などの値をいうときにdBWとかdBmといった単位が使われる。P〔dBW〕は(2・45) 式でP1=1WとしたときのP2値を示している。したがって、送信出力2kWというときは、上の(1)でP2を 2,000Wに、P1を1Wと置いて計算をすると 33.0103≒33dBWとなる。dBmはP2 ,P1の単位をmWとしP1=1mWのときの値である。受信機の最小受信感度-65dBmというときは、 3.16×10-7mW=3.2 ×10-4μWまでの電力を受信できることを意味する。
電界強度をdBで表示するときには通常1μVを基準にとる。またdB表示では普通有効数字はせいぜい2けた目から3けた目までを表すようにする。
2・18 シンクロの原理
シンクロはシンクロ発電機とシンクロ電動機との組合せからなり、前者から後者へ回転角度を伝達する電気機器である。発電機と電動機は同じ構造で、固定した部分(固定子)と回転する部分(回転子)とがある。固定子には図2・24に示すように中空の鉄心に 120°おきに三組のコイルが巻かれている。そして、その中には、鉄心にコイルを巻いた回転子が自由に回転できるようになっている。発電機と電動機の回転子は並列接続されて共通の交流電源に接続され、固定子の三組のコイルはY型に接続された上で、これも発電機と電動機の回路は並列に接続されている。